東京都唯一のDo as I Do認定トレーナー栗林純子とDo as I Doとの出会い

私が初めてDo as I Doを知ったのは、2016年でした。

海外の動画で、確かクラウディア・フガッツァ博士とヨークシャーテリアが、
取り組んでいるその様子に、私は一気に魅了されました。

「え?えぇ?もしかして、この犬、人の動作を真似しているの?
嘘でしょ?犬ってこんなすごいことまで出来るの?」

そんな風に感じた驚きの瞬間を今でも鮮明に覚えています。

そしてその頃はまだ「ミラーメソッド」と呼ばれていた、Do as I Doのワークショップが翌年に開かれることを知りました。
犬連れでワークショップが行われる予定で、犬連れ参加者を募集していること、また犬連れ参加者は事前に自身の愛犬とペアになって
一緒にトレーニングして、ある程度のスキルを磨き、そのチェックにパスしないと参加出来ないこともわかりました。

愛犬「空」

「自分の犬とトライ出来るこんなチャンスはもう来ないかもしれない」

緊張もするけれど、この機会を逃したくない!
そんな思いで、今は亡き愛犬の「空(そら)」と練習をして、無事に動画試験にもパスして、
大勢の人の参加するワークショップに緊張しながら空と参加した日を覚えています。

今は亡き愛犬の空と、毎日練習に励んだあの日々も、
今では私の基礎となる大切な宝物みたいな時間です。

「Do it!」を言った後の、「え!今、空ちゃんわかったよね?今、真似したよね?」と、
愛犬との間に初めて「Do it!」が通じたあの瞬間の感動と歓喜は今でも忘れられません。

愛犬と通じ合う、あの瞬間の感動、本当に飛び上がるほど嬉しく、
「へへへ、これでしょ?僕、わかったよ!」
とキラキラとしたドヤ顔でこちらを見てくる愛犬への愛おしさも倍増する瞬間でした。

Do as I Doを学んだ犬たちは、「Do it!」=「ハンドラーの見せた行動を真似する」と学んでいるため、
全くやったことのない行動も、初めて見るものにアクセスする行動も、複雑な行動も、いとも簡単に覚えていくのです。

過去に今まで私が知っていたトレーニングの手順では、「モノを咥えて拾ってバスケットに入れる」という行動一つを例に取っても

  • モノを咥える
  • モノを持ち上げる
  • モノを咥え続ける
  • モノを運ぶ
  • モノを箱の上まで運ぶんで持って行く
  • モノを箱の上で離し落とす

という行動を一つずつ、シェーピングと言われる方法で、少しずつ形成していくしかありませんでした。
これには、膨大な時間とトリーツと教え手の熟練したスキルが必要でした。

しかし、「Do as I Do」を知っている犬には、やって欲しい行動を人がデモンストレーションして見せて「Do it!」というだけ。
大幅に時間も短縮、しかも楽しい!嬉しい!これはすごいことですよね!

そして自身のそれぞれ個性の違う愛犬4頭とDo as I Doを実際に体験してきて、どの犬とも基礎の手順を大切に踏めば、行動を学習していくこと、「Do it!」=「あ、真似するんだよね!」の感動的な瞬間があること、今まで怖がりで慎重で中々新しいものにアクセス出来なかった犬が、
いとも簡単に新しいモノにもアクセスできるようになること、知らない人とも怖がることなくDo as I Doを楽しむ愛犬たちの姿に、
毎回驚きと感動を覚えてきました。

「この感動、愛犬との繫がり、コミュニケーション出来た喜びと感動を、たくさんの人に知って欲しい!」
そう思ったのもDo as I Doトレーナーを目指したきっかけでもあります。

しかし一言で「人の行動を見て、観察して、記憶して再現して真似する」とは言っても、そこまでの道のりにはきちんとしたプロトコルがありました。

学んでいけばいくほど、それを十分に理解するには、ベースとなる、ドッグトレーニングの基礎も含めた専門的な知識が十分に必要であること、それを実践できるスキルがドッグトレーナーとしても必要であること、身をもって体験してきました。

Do as I Do認定トレーナーになるまでの道のりは険しく、途中、愛犬空の逝去や、コロナ禍でクラウディア・フガッツァ博士の来日が出来ず、
トレーナー認定試験が受けられない状況などもあり簡単ではありませんでしたが、たくさんの生徒さんたちの協力とトレーナー仲間たちの支え、
そして愛犬「晴」「雪」「風」たちに助けてもらいながら遂に2022年に夢を叶え、Do as I Do認定トレーナーの試験に合格することが出来ました。

最初に空と夢を見てから5年以上の道のりでした。

Do as I Doは、犬の社会的認知能力、特に人間から学ぶ素因に基づいています。
このメソッドでは、犬は飼い主を観察し、記憶し、模倣することによって新しい行動を学んでいきます。